わたしたちが暮らしている地球は、ボールのようなかたちをしていて、その中心は「核」とよばれる、とても熱い鉄でできています。この地球の中から地表に伝わる膨大な熱エネルギーを「地熱」といいます。
地球の内部は内核、外核、マントル、地殻から構成されています。内部の熱によってマントルの岩石が溶けてマグマとなり、それが地殻を破って地表に達することで噴火が起こり、火山が形成されます。
火山の地下数Kmのところに、温度が約1,000℃のマグマ溜りがあり、この熱が地下に浸透した雨水をあたため、熱水や蒸気を作ります。この熱水や蒸気が溜まっているところは「地熱貯留層」と呼ばれています。一般的に深いところにあるほど温度が高く、特に火山帯の周辺では温度が高くなります。
地熱貯留層にある熱水や蒸気を利用する発電方法が「地熱発電」です。地熱貯留層は地下のとても深い場所にあります。それに対して皆さんがお風呂などに使っている温泉は、地下の浅いところを流れています。温泉が流れているところを温泉帯水層といいます。一般的に、地熱貯留層の深度は約1~3km、温泉帯水層の深度は数10m~数100mです。地熱発電に使う蒸気も、お風呂に使う温泉も、井戸を掘って地下から取り出すことで利用します。
地熱資源を有効活用する地熱発電ですが、どのようなしくみで電気が
つくられるのでしょうか。どのような場所で発電されているのでしょうか。
まずは地熱とは何か解説します。